屋久島農園再生プロジェクト

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第42話 2012年7月 園長のお話
第42話 2012年7月 園長のお話


第41話 2012年7月 ナカラセくん召喚のハイライト】
説得力のないハルオJrは自分の考えたことの裏付けをナカラセくんに託し、なんとか受け入れてもらうことに成功したのだった。
一方、水面下では保留中の話がすでに動き始めていたのである…。


登場人物一覧


―――2012年7月 下ン牧邸―――


ハルオJr:「こんにちはーっ。」


下ン牧さん:「いらっしゃい。今日はゲストがいるのよ~。」


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園長さん:「こんにちは。ハルオJrさん。」


Jr:「ああ、園長さん。こんにちは。」


解説:園長さんは北海道出身の元保育園副園長の女性です。介護関係や福祉関係の仕事の経験もあります。最近は福祉系NPOのボランティアやアルバイトでハンディを持った方のサポートなどをしていました。また、喫茶店のオーナーママでもあります。


下:「この前言ってたサークルなんだけど、『こだまクラブ』に名前が決まりました!」
関連エントリ:第39話 2012年6月 ハルオJrへの相談
下:「でね、その代表を園長さんにお願いしたのよ。」


Jr:「おおーっ!そうなんですか!」


園:「出来ることはなんでもやらせてもらおうと思ってます。」


下:「それで、ハルオJrにも今後イロイロと参加してもらうから、考え方とかその辺を聞いてもらおうと思って呼んだのよ。」


園:「こだまクラブの話を聞いた時に、これだ!って思ったの。」


Jr:「というと?」


下:「NPOとかってね、仕組みとしてはスゴく大切で必要なんだけど、欠点があるのよ。例えば、目の前で倒れている人がいるとするでしょ?その人に手を差し伸べようとするとまず書類を書かなきゃいけない。それも専門的な知識が必要でかなりの量のものを。」


Jr:「まあ、元が税金だから悪用されたら困るから、そうせざるを得ないってことですよね。」


園:「そうなの。それはそれで必要なことですよね。でも、それだと間に合わないこともありますよね。だけど、たんなるサークル活動だからそれがない。手を差し伸べようと思った時にスッと差し伸べられる。これってスゴイことなの。」


Jr:「はぁ。そうなんですね。全く知りませんでした。」


園:「私たちは全ての人を助けたいなんて大それたことを考えているわけじゃないの。できる範囲で目の前を人の助けになればそれでいいと思っているんです。だって、それすらもなかなか出来る環境ってないから。」


Jr:(今までと違う世界の住人と話しているみたいだわ…。)


園:「それでね、何が一番困っているかっていうと仕事なのね。」


Jr:「はい。それは以前下ン牧さんから聞きました。」


園:「屋久島は特に障害を持った方の働く場所がないの。授産施設も数えるだけ。選択肢がないのよ。」


Jr:「そうなんですか…。」


園:「授産施設ってすごく大事な場所なんだけど、やっぱり実入りが少ないの。それはシステム上仕方がないんだけどね。管理者も置かないといけないし。」


Jr:「少ないってどれくらい?」


園:「そうね。。。週5日出たとしても、月に2~3万とかかな。食事代とか考えると実質ゼロとかね。」


Jr:「え!?」


園:「それが悪いとかじゃないのよ。社会とつながる窓口という大きな役割もあるし、それが楽しみで毎日通っている人ってけっこう多いから。親御さんもずっと付きっ切りってワケにいかないって現実的な問題もあるし。…だけど、問題はグレーゾーンの人。」


Jr:「グレーゾーン?」


園:「障害者年金が出るか出ないかってラインにいる人ね。障害者手帳は持っていてもランクがあって、それ次第では年金が出ない事もあるの。」


Jr:「それじゃあ、収入なしってことですか…。」


園:「そういう人もいるってことは是非知っておいてもらいたいのよ。」


Jr:(なんてことだ…全く知らない世界だな…。)


園:「それで、こだまクラブではそこを第一にやってみましょうってことになりました。」


Jr:「というと?」


園:「つまり、何がしかの仕事を用意してクラブで行う。当該者にはお給料を支払うってことね。私たちはサポート役だから無給だけど。もし、資金に余裕が出たら少しもらってもいいかもね。」


Jr:「それはスゴイ!」


園:「だけど、実際にはみなさん授産施設なんかで働いているからバッティングは避けていこうかと。あくまでも選択肢のひとつになるっていうのが目的ですから。
声はかけてみるけど、選ぶのは本人の自由ってことで行きたいですね。仕事を自分で選べるっていうのも大切なことだから。モチロンサポート側も声をかけてみて参加は自由って形だから同じです。
出欠に関してもサークル活動だから自由で、これも私たちも同じね。最低限当該者と同人数が出るって所だけは守りますけど、みなさん家庭もあるし、仕事もありますから。予定がある人は来なくても大丈夫。
仕事の出来不出来も問わないし、仕事をして誰かの役に立ってるっていう喜びを優先で考えたいんです。私たちはサポートしてくれた人が喜んでくれるのがうれしいからやるだけ。これも同じことでしょ?
まあ、ハンデがあろうがなかろうが同じサークルの仲間だからっていうのが基本です。違うのは作業に関する賃金が少しでもあるかどうか。これは環境が違うからね。」


Jr:(分け隔てなく同じ立場にっていうのがベースでって、これが差別しないってことなのかもしれないなぁ。その上で社会的な環境が違うから金銭面だけは優遇しましょうってことか…。)


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Jr:「何と言うか…。全くこれまで考えたことがないのでスゴイとしか言いようがないです…。」


下:「まあ、勝手に好きでやってるサークルだからしばりもないしね。まあ、皆さん経験者とか資格持ってる方ばっかりだからできるんだけど。」


Jr:「至れり尽くせりですね。」


下:「で、その辺を踏まえてあなたにも知恵を絞ってもらおうかな~って思ってる。」


Jr:(なんか分からないけど、ちょっと燃えるかも。)


下:「この前言ったコラボの部分も含めて考えてみてね。」


Jr:「分かりました。(しかし…何が出来るんだろう…?)」


新しく立ち上がったサークルの名前は「こだまクラブ」だった。
そして、代表となる園長さんから聞かされたサークルの基本的な考え方に大きな慈悲の心を教えられるハルオJr。
はたして、そのような心を持って知恵を絞ることができるのであろうか?
ハルオJrは大きな波に飲み込まれていくのであった。
次回"第43話 2012年7月 そうだ、研修に行こう!"に続く。


登場人物
登場人物一覧


バックナンバー
第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話)
第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話)
第26話 2011年12月 第一号モニター
第27話 2011年12月 平地と斜面
第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか
第29話 2012年3月 こだわりの土づくり
第30話 2012年3月 土作りの次は栄養を
第31話 2012年4月 予想外のスピード
第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込め
第33話 2012年4月 激論!父vs子
第34話 2012年5月 いつもの作業風景
第35話 2012年5月 電気を通すために
第36話 2012年6月 世代交代?
第37話 2012年6月 無視できない存在
第38話 2012年6月 備えあれば
第39話 2012年6月 ハルオJrへの相談
第40話 2012年7月 父の正論と息子の理論
第41話 2012年7月 ナカラセくん召喚
[2012/10/19 00:34 ] | 農園再生プロジェクト | コメント(0) | トラックバック(0) | page top
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