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第2話 息子よ、これが「耕作放棄地」の問題だ!
【第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか?のハイライト】 世界自然遺産の島「屋久島」の農業にとっても耕作放棄地の増加は大きな問題であった。 その現場を目の当たりにした父子。 その時、父は「耕作放棄地が増えると困ることがある。」という。 息子:ハルオjr:「耕作放棄地が増えるってことは農地が減るってことだから、農業の衰退が起こるってことだよね?これが困るというか、一番大きな問題なんじゃないの?」 父:ハルオ:「たしかに、そうなんだけどな。そういった全体的な社会問題の話じゃないんだ。」 子:「他に何かあんの?」 父:「もっと具体的で、現実的に深刻な問題がある。これを見てみろ。」 ![]() 子:「これは…枯れてるね…。」 父:「これは病気になって枯れてしまった枝だ。たんかんはな、病気に弱いと言われている。他の柑橘と比べても手のかかる果樹なんだよ。それが手入れをされていないとなると、こうなってしまうんだ。」 子:「なるほど…。これは大変だな…。木がかわいそうだ。」 父:「この木が一本枯れるくらいで済めば問題は少ないんだ。本当の問題はこの病気が周囲の果樹園にも伝染するかもしれないってところだ。」 子:「どういうこと?」 父:「この園の木が病気になるだろ?そこで病気の菌なんかが繁殖する。風とか虫とか鳥とかでその病気が周りの農園に広がるかもしれない、ってことだ。」 子:「うわ…それは怖いな…。」 解説:屋久島は気候条件から「ぽんかん」「たんかん」などの果樹のの栽培には非常に向いていますが、反面、高温多湿・雨が多いという面からバクテリアや微生物の繁殖においても好条件になります。 本土では柑橘がかかりにくいといわれている病気でも大量発生してしまうのはそのためです。 ましてや、管理されていない果樹は病気のキャリアになる可能性が非常に高く、周囲の果樹園にもその被害が及ぶケースが増えています。 父:「それからな、コッチを見てみろ。」 ![]() 子:「うわー。これもひどいな…。」 父:「これはな、害虫に食われてしまったあとだ。」 子:「もしかして、これも広がるの?」 父:「そうだ。病気もそうだが、害虫ってのも弱った木に住みつくんだ。これが成長して他の農園に飛んで行ったりしたら、やっぱり被害が広がるかも知れん。」 子:「耕作放棄地が害虫の巣になってしまうんだな。」 解説:屋久島は生命の島といわれるほど、多様な植物があることは「世界自然遺産」登録からもよく知られています。 同じように、多様な生物も生息しています。それは、主に「虫」類です。 特に果樹園が多い屋久島では果樹の害虫も多く生息しています。 上記の「・病気の発生」と同じように、繁殖に適しているのが原因です。 これについても、耕作放棄地は害虫の巣となってしまい、周囲の果樹園などに被害が及ぶケースが増えています。 父:「こういったのは、言えば目に見える深刻な問題ってことだな。」 子:「目に見える…?見えない問題もあるってのか?」 父:「もしかしたら、目に見えない問題の方が深刻化もしれんな。」 子:「それは?」 父:「農家が高齢化しているだろう?それは体力的な負担が年々大きくなるってことだ。」 子:「確かに、周りのベテラン農家さんは『しんどくなった』って言っているな。」 父:「すると、モチベーションが高くないと農業の継続が難しくなるんだよ。」 子:「気持ちで踏ん張っているってことか…。」 父:「そんな時に、『隣の農園が荒れ地になった』とか『知り合いの農園が荒れ果てた』とか暗い情報ばっかりが耳に入ってきたら、やる気も失われていくだろう。」 子:「悪循環じゃないか!!」 父:「やっぱり、農村って言うのは農家と農業が元気じゃないと活力がないんだよ。」 子:「負のスパイラルに入ったら、農村の活力がだんだん失われてさびれていく…って考えると地域の存続って意味でも大きな問題だな。」 解説:耕作放棄地が増えると「隣の園も荒地になった。」「知り合いの園も荒地になった。」とネガティブな情報ばかりが農家の間に流れることになり、農業を継続する意識の低下につながります。 農村地域は農業が盛んであってこそ、活力を生むものです。 その力が無くなると、閑散とした地域になってしまいます。 父:「しかも、だ。屋久島は世界自然遺産に登録されて以来、『自然』を目的に来るお客さんが多い。」 子:「たしかに、登山客やトラッキングの恰好した人よく見るわ。」 父:「そうすると、山に続く道を当然通る。」 子:「あ!屋久島の場合、山あいにある農園も多いからその道に面しているところも多いね!!」 父:「そこが耕作放棄地だったらどうだ?せっかく『自然』を目的で来ているのに、道々で目にするのは『自然林』でも『管理された農園』でもなく、『荒れた農園』だ。」 子:「それは、観光客も屋久島側も不幸だな…。」 解説:屋久島はもともと観光地ではありましたが、「世界自然遺産」登録後その傾向が顕著になり、非常に多くのお客様に来ていただいています。 最近は登山やトラッキングをはじめとする「自然と触れ合う」機会を求めて訪れる方が多いのが特徴です。 屋久島の農地は山あいにあることが多く、観光客が通る道に面しているところも少なくありません。 しかし、その過程で観光客が目にするのは「自然林」でも「管理された農園」でもなく、 「荒廃した農園」になります。 父:「だから、耕作放棄地が増えると困るんだよ。」 子:「それはよく分かったわ…。どうにも出来ない自分の無力さも。…どうした考え込んで?」 父:「いや。実は前々からな、本当にどうにもできないだろうか?って考えているんだ。」 実は父は「耕作放棄地」をどうにかできないか?と考えていた。 しかし、どうにかするにしても現在の農業と並行して作業を進めなければならない。 果たして、父の下す決断とは?そして息子の反応とは? 次回、第3話 "父の決断"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか? |
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果樹類を無農薬で10年
病害虫とは無縁になりました 薬剤を使うと病害虫が増える 無農薬の有機認定の粉には 皆さんのご期待に応える力が 一度 ブログをご覧ください |
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屋久島の農業振興
12月4日、薪割りと燻製の労働で疲れて、
18時就寝、03時起床気温10度。
5日は知り合いの宅地の草刈りと薪割り、
手直し燻製をおこなう。
15kgと3kg [2011/12/05 18:24] 屋久島高平窯 |
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