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第35話 2012年5月 電気を通すために
【第34話 2012年5月 いつもの作業風景のハイライト】 屋久島で農業をやる以上避けて通れない頻度の高い草払い。それはいつもの光景であった。 その作業をこなしつつ、害獣対策(の準備)に取り掛かる。 ―――2012年 5月――― 父:ハルオ:「サルとシカが最近増えているらしいから、対策をせねばいかん。」 解説:屋久島には固有種である、ヤクザルとヤクシカがいます。その昔は「屋久島は人2万、サル2万、シカ2万(住んでいる)」と言われるほどだったそうです。しばらくの間、原集落はサルもシカも里部ではあまり確認されていませんでしたが、最近目撃例が増えています。個体数が増えているのか、居住エリアが変わったのか専門家でも意見の分かれるところであり、詳しくは分かっていません。 いずれにしても農業にとっては実や木の皮などを食べてしまう「害獣」ということになるので、対策をしなければならないのです。 息子:ハルオjr:「再生農園にはもともと電気柵が設置されてるんだから、それを使えばいいんじゃないの?」 解説:電気柵とは、フェンスを設置しその上に電線を張り、電気を流す害獣対策のことです。主にサル用の対策でしたが、フェンスそのものがシカにも効果があるのではないかと言われています。 父:「それはそうなんだが、使える状況ではないからな。」 ![]() 子:「あちゃー。完全に外側から木が生い茂って柵に被さってるわー。フェンスの内側(農園側)は整備したけど、外側のやぶは手を着けてないからね。ツタもからまってエライことになってるし。」 父:「ツタは一日で何とかなるとして、被さっている枝は大がかりな作業になるな。」 子:「えー。そりゃ大変だ。」 父:「…何を言ってるんだ?お前がやるんだぞ。父さんは他の仕事があるからな。」 子:「…え?これ全部?」 父:「まあ、150メートルくらいだな。」 ![]() 父:「じゃあ、頼んだぞ。」 子:「…仕方ない。やるか。」 ![]() 解説:この作業は安全性を考慮して全て手ノコで行いました。小さくて持ちやすく、何かと使える果樹農家には必須のアイテムなのです。 ![]() 子:(足場が斜面だから安定しないなぁ。それにしても、なんでこんなに生えてんだよ雑木…。あー帰りたい…。) ―――数時間後――― 子:(あれ?オレ枝払うの結構上手くない?おっと、なかなかの強敵がいやがる!…なんか楽しくなってきた。) 解説:何の作業でもそうですが、慣れて気分がのってくると楽しくなってきたりします。(あくまでハルオJrの場合)気分がのるまではひたすらメンドクサイと感じることもあるのは人の性ですよね? ―――さらに翌日――― ![]() 子:(あー、やっと終わった。うーん、達成感!!) 父;「終わったな。これでいつでも電気柵使えるな。」 子:「え?今使うんじゃないの?」 父:「今のところ、目撃談が何件かあるくらいのレベルだから、柵で囲んであればとりあえずはいいだろう。」 子:(頑張ったのに…。)「そうか。」 父:「備えあれば憂いなしだからな。」 子:「だね。」 こうして、害獣対策の準備は整ったのだった。 栽培の努力が水の泡になってしまうこともある害獣問題は深刻なのである。 思いもかけないところから事態は急展開をむかえる。 次回"第36話 2012年6月 世代交代?"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター 第27話 2011年12月 平地と斜面 第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか 第29話 2012年3月 こだわりの土づくり 第30話 2012年3月 土作りの次は栄養を 第31話 2012年4月 予想外のスピード 第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込め 第33話 2012年4月 激論!父vs子 第34話 2012年5月 いつもの作業風景 |
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