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第26話 2011年12月 第一号モニター
【第25話 プロジェクトのはじまりのハイライト】 動き始めた「屋久島農園再生プロジェクト」。 実際に収穫に向けた作業と、将来の企画のためのテストがはじまる。 "農園再生体験"の実現に向けて、第一回目のモニタリングテストを行う父子であった。 ―――2011年12月 再生ぽんかん園――― 息子:ハルオjr:「をを!実がなってるじゃない?」 父:ハルオ:「小粒だし、見た目も悪いから商品にはならんがな。」 子:「いやいや、なっただけでもすごいじゃない?まだほとんど手をつけてないのに。」 父:「ぽんかんは、たんかんに比べると強いみたいだからな。」 子:「そうなの?」 父:「しかし、きちんと市場で商品になる実をつけようと思えば、たんかんより手間がかかる。」 子:「同じぽんかんなのにね…。たしかに、じょうのうも固いから無理かもしれんけど。」 解説:"じょうのう"とは柑橘の皮をむいた時に中に入っている袋のことです。柑橘の中には、その袋をそのまま食べるものと、むいて食べるものがありますね。 ぽんかんは、そのまま食べるのが基本ですが、お好みでむいて食べる方もいます。 父:「しかし、味は予想していたよりいいな。」 子:「うん。手入れしてないのにね。…そうだ!せっかく実がなったから、収獲の体験をしてもらおうか!」 父:「誰にだ?」 子:「下ン牧さん。」 ―――数日後――― 子:「ということで、下ン牧さんに来ていただきました!」 父:「お忙しいところスミマセン。」 下ン牧さん:「いえいえ。こういうの好きなんで、お構いなく!」 父:「このぽんかん園の特徴は、段々になっているところです。」 ![]() 父:「それで、この真ん中にある坂道を上り下りしながら、作業をしていきます。 今日は、体験なので必要な分だけを採ってもらって構いませんが、本格的な収穫となると、上り下りが一日中になってきます。」 下:「うわー。それは大変かも…。」 子:「実際の作業の時は収穫した実は運搬機で運ぶんですけどね。」 父:「実はなっていますが、木はまだ弱ったままです。あまりに長い間実をつけていると、木が耐えられませんので、ある程度の段階で全て採るか、落とすかしないといけなくなります。」 子:「だから、気にしないでじゃんじゃん採っちゃってくださいね!」 下:「よーし!やるよーー!!」 ![]() 父:「採った実はコンテナに入れて置いといてください。ハルオJrが運びますから。」 下:「移住してきたばっかりのころ、農家さんのお手伝いで収穫したことあるから、ある程度は分かってるよ~。」 子:「へー。そうなんですか?だから手つきが慣れてるんですね~。」 ―――数時間後――― 下:「うん。これだけあれば十分です!」 父:「本当にこれだけでいいんですか?もっと持って行っていいですよ?」 解説:この時下ン牧さんが収穫したのはコンテナ3つ分(約60kg)でした。 下:「いえいえ。そんなにあっても使い道ないし。十分です。」 子:「そりゃそうだ。ところで、どうでした?感想を聞かせていただけるとありがたいのですが。」 下:「うん。楽しいね、収穫は。やっぱり。けど、収穫だけを考えているわけじゃないんでしょ?」 子:「はい。農業機械を使ってもらった草払いとかどうだろう?と思ってますけど。」 下:「機械ね!それも楽しそう!!都会の近郊じゃ収穫体験はあったりするけど、機械を使ってとかはそんなにはないかもしれないし、いいかもね!いけるんじゃない?農園再生体験。私はけっこう好きだけど。」 子:「ふむふむ。そういっていただけると、やる気出ますね!」 下:「モニターのテストをもう少しやって、いろんな意見を聞いたらいいプランができるかもね。」 子:「はい!来年(2012年)はテストに費やす予定です。」 モニター第一号は、身近な移住者下ン牧さんから口火を切ったのだった。 この後、幾度となくテストを繰り返していくことになるのである。 そして、その機会はそう遠くない未来にやってくるのであった。 次回"第27話 2011年12月 平地と斜面"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) |
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