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第12話 再生農園拡大!?
【第11話 再生者の責任のハイライト】 殺菌剤をぬり、枝を燃やして処理して周囲への病気や害虫の蔓延を防ぎ、農園再生の導入部分の作業を終えた父子。 それは再生者としての責任をともなう大切な作業だった。 一段落してホッとしたのもつかの間、父から衝撃的な一言が。 登場人物 父:ハルオ:「実はな、再生農園を広げようと思っている。」 息子:ハルオjr:「えっ!?」 父:「場所なんだがな…。」 子:「待て待て待て待て!再生農園を広げようと思っているって言った?」 父:「ああ、言った。」 子:「本気か?ここの農園が増えただけでも作業的にはだいぶ増えてるんだけど。」 父:「それはそうだが、ここの農園が増えたところで、収穫の量は少ししか変わらん。」 子:「まあ、そりゃそうだけど。完全復活まで何年かかるか分からないんだから。最初のうちは微々たるもんだろうな。」 父:「少なくとも来年(2012年)はほとんど収穫はないと思っていいだろうな。」 子:「それは、他の園をやっても一緒だろ?」 父:「だから、だよ。だからもう少し農園を拡大できる。」 子:「はぁ?」 父:「収穫がない、ということは、収穫の作業がないということだ。多分余力が出るのは来年(2012年)までだ。」 子:「それ以降は?」 父:「やってみなければ、実際にどのくらいの作業量になるか分からないが、おそらく増やせないか、少しは増やせるかくらいだと思う。」 子:「最近、悩んだ様子だったのはそれだったのか…。」 父:「それで、場所なんだがな。」 子:「ちょっと!決定事項なの?」 父:「ああ。出来る限りの農園再生をすることに決めたからな。」 子:「マジか…。」 父:「最初に見に行った耕作放棄地があるだろう?場所はそこだ。」 ![]() 補足:耕作放棄地については 第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか? 第2話 息子よ、これが「耕作放棄地」の問題だ! をご参照ください。 子:「ああ、思い出した。思いっきりヤブになってた所ね。」 父:「あそこも、所有者が亡くなってな。管理する人がいなくなったんだ。子供は島にはいなくて、農園を管理してくれる人を探していたんだ。」 子:「そうか…。もしかして、もう引き受けた後なの?」 父:「そうだ。」 子:「だから、決定事項だったのか。」 父:「ちなみにな、その人はもう一つ『ぽんかん』園を持っていてな。そこもやるからな。」 子:「は?一気に2つの園を拡大すんの?」 父:「そうなるな。」 子:「で、最初の再生農園と今度の2つを足すとどれくらい拡大したことになる?」 父:「再生農園が3つで、ウチの農園全体と同じ広さだから、ちょうど倍増ってところだな。」 子:「倍増?マジか…。」 父:「お前が帰って来て働き手が倍増したんだ。仕事も倍増でちょうどいいだろう。それでも大きな農家に比べると半分から3分の2くらいの広さしかないんだぞ。」 子:「いや…。増えた分は収益性が低いから仕事だけ倍増だろ。」 父:「まあ、すぐに黒字になるような仕事ではないからな。」 子:「…。」 父:「まあ、なんとかなる。」 子:「…。」 父:「どうした?いきなりで怒ってしまったか?」 子:「…いや。決まったことなら仕方ない。前向きに考えよう。」 父:「お前はプラス思考だけが取り柄だからな。」 子:「だけって言うな。」 父:「段取りはこれまでと同じだ。一度経験しているから、スムーズにいくだろう。」 子:「そうだな。」 父:「そうとなれば、明日からでも早速取り掛かるとするか。」 子:「分かった。」 こうして再生農園を拡大することになった父子。 農園再生の作業はまだまだ続くこととなった。 しかし、新しい再生農園にはまた新しい問題があるのだった…。 次回"第13話 うごめくもの"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか? 第2話 息子よ、これが「耕作放棄地」の問題だ! 第3話 父の決断 第4話 父子で道を切り拓け! 第5話 光をさえぎるもの 第6話 地をはうもの 第7話 父の夢 第8話 農と業と農業 第9話 人間だって同じ 第10話 思い切りが肝心 第11話 再生者の責任 |
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