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第10話 思い切りが肝心
【第9話 人間だって同じのハイライト】 弱った果樹のケアの仕方は人間に対するそれとよく似ていた。 最初のステップとして土壌改良剤で木の回復を試みた父子。 少し間を置いて、枝の剪定(せんてい=切断)へと踏み出す。 父:ハルオ:「土壌改良剤を撒いてからしばらく経つし、そろそろ枝の剪定(せんてい)をするか。」 息子:ハルオjr:「といっても、かなりの量あるぞ。」 父:「まあ、今日1日ですべて終えなきゃならん、というわけでもないから、ボチボチやるか。…とは言っても他の仕事もしなければならんから、また助っ人を呼んである。」 子:「伯父さんのこと?」 父:「そうだ。」 伯父:「よう!どの木からやるんだ?」 父:「病気や害虫の侵食がひどいのから頼む。」 伯父:「よし!まかせとけ!!」 ![]() 子:「ええ!?チェーンソーでそんな根元から切るの?」 伯父:「ん?当たり前だろう。」 父:「こういう時はな、中途半端に先っぽだけ切っても意味がないんだよ。」 子:「なんで?」 父:「中途半端に残すと、病気が死滅しないからまた広がるだけだしな。」 解説:病気や害虫にやられている枝はその根元まで侵食が進んでいます。そのため、根元を残してしまうと病原菌や害虫の卵などが残ってしまう可能性が出てきます。再発したら再び病気や害虫が広がってしまうので、剪定(せんてい)の意味が無くなってしまいます。そのため、危険性があると思われる部位まで切り取ってしまう必要があるのです。この思い切りが今後の園の再生に非常に重要です。 伯父:「この木は完全に根までやられてるな。どうする?」 父:「ほっといても枯れるだけだし、周りの害になるから根から切ってくれ。」 伯父:「分かった。ハルオjr!運びやすい大きさに切り分けておくからな。」 子:「おお。ありがとう。」 ![]() ~2日後~ 父:「根元から切っていく剪定(せんてい)は、人間で例えると大手術みたいなもんだ。だから、あんまりいっぺんにすると木が弱り果ててしまう。特にひどい十数本は終わったから、今回はこのくらいにしておこう。」 伯父:「そうだな。」 子:「普通の剪定はいつすんの?」 解説:一般的に果樹の剪定(せんてい)とは、栽培がしやすい木の形を作ること、日当たりを良くし育成させやすい環境を作ること、余計な枝を切りのぞき実をつけやすい木を作ることなどの目的で行われます。今回の剪定は病気や害虫にやられているところを切除する目的で行われおり、緊急的なものなのです。屋久島たんかんの場合、剪定は収穫の終わった3月中旬以降に行われるのが一般的です。 父:「普通の剪定はボチボチでいいから、ゆっくりやっていくよ。」 子:「そうか。」 父:「それよりもしないといけない事があるからな。」 人間で言うと患部にあたる部分を剪定により切り除いた父子。 いよいよ、収穫をゴールとした作業にとりかかると思いきや 実をつけさせ、収穫にむけた作業よりももっと重要なことがあると父は言う。 果たして、このタイミングで重要なこととは一体? 次回"第11話 再生者の責任"に続く。 登場人物 ![]() ![]() 伯父 バックナンバー 第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか? 第2話 息子よ、これが「耕作放棄地」の問題だ! 第3話 父の決断 第4話 父子で道を切り拓け! 第5話 光をさえぎるもの 第6話 地をはうもの 第7話 父の夢 第8話 農と業と農業 第9話 人間だって同じ |
「奇跡のりんご」って知ってますか?
農協や農家が「りんごは絶対農薬を使わないと育たない」と言っていたのを根底から覆した事例です。 ブログhttp://www.cheziguchi.com/kimura.htmもありますし、本も売ってます、まあ、今後の農業の方法付けに、気が向いたら読んではいかがでしょう(笑)。 > 幸運がよってくるさん
「奇跡のリンゴ」は知っていました。 父は、そこを目指して農薬を使わない栽培を数年試みていました。 しかし、病気の種類や害虫の違い、気候や環境の違い、落葉樹と常葉樹の違いなどがあり 完全無農薬で病気や害虫を寄せ付けない栽培は難しいと昨年悟ったようです。 そこで、最低限の防除は行うという方針に決めました。 元々、屋久島の農家は多い方でも本土の農薬の5分の1程度しか使いません。 「今どき、そんなに農薬をかける農家がいるもんか。」とどの農家も言っています。 我が家はその中でも最低限なので、おそらく全国標準の10分の1も使わない予定です。 その分手間はかかりますが、安心して食べられる農作物を作りたいという 気持ちは変わらず持ち続けたいと思っています。 |
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