屋久島農園再生プロジェクト

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第8話 農と業と農業
第8話 農と業と農業


第7話 父の夢のハイライト】
父には夢があった。それは集落が農村として維持し、一つの方向に向かって団結していく姿だった。
その試金石としての農園再生をスタートさせたのだった。
農業が忙しくなるといった息子に言った父の一言の真意とは?


父:ハルオ:「農園再生は農業ではないぞ。」


息子:ハルオjr:「は?意味が分からん。農業でしょうよ、どうみても。」


父:「農業はそんなに甘いもんじゃない。」


子:「だから、大変になって忙しくなるって言ったんじゃん。」


父:「いや、そういう意味じゃない。」


子:「じゃ、どういう意味だよ?」


父:「お前、農業と農作業をごっちゃにしていないか?」


子:「農業と農作業?」


父:「そうだ。根本的に違うんだぞ。」


子:「???」


父:「農業、と言う言葉には『農』と『業』という二つの感じが使われているだろう?」


子:「そりゃ、そうだ。」


父:「じゃあ、それぞれの意味が分かるか?」


子:「え?いや…分からん。」


父:「『農』というのはな、土を耕して作物を育てるってことだ。」


子:「まんま農業のことじゃない。」


父:「違う。じゃあ、家庭菜園とかベランダ栽培でも農業と呼べるか?」


子:「…いや、呼べん。」


父:「そうだろう?だから、意味が違うんだ。農作業は農という言葉の意味に近いな。」


子:「なるほど。」


父:「じゃあ、『業』はどうだ?」


子:「ビジネス、って意味か。」


父:「そうだ。『業』はなりわい、だな。それによって収入を得る、生計を立てる、と言う意味になる。」


子:「『農』を『業』にする、のが農業ってことか。」


父:「そうだ。言葉遊びのように聞こえるかもしれんがな、これが本質なんだ。」


子:「本質?」


父:「そうだ。農業をする時に、どこで収入を得る?」


子:「そりゃあ、農作物を売った時だろ。」


父:「そうだな。そして、生計を立てられる収入を得ることが出来るようになった時にはじめて農が農業になる。」


子:「そうか!」


父:「逆に言うとだな、収入を得ることが出来なければ、それは農業ではなくて農なんだ。」


子:「回りくどいな。」


父:「大切なところだからな。で、だ。農園再生で収入が得られるか?」


子:「え?」


父:「この耕作放棄地を切り拓いて整地しただけの農園で収入が得られると思うか?木も弱っている。病気にも害虫にもやられている。収入が得られ始めるのに、少なく見積もっても5年以上かかるだろう。いや、5年じゃ無理かもしれんな。元を取るのは何年先になるか…もしかしたら、取れんかもしれんな。」


子:「10年後くらいにはなんとかならんの?」


父:「契約上、10年したら所有者に戻すことになっているから、どうだろうな。」


子:「じゃあ、赤字じゃないか!?」


父:「それは、始めから分かっていたことなんだよ、実は。耕作放棄地じゃない普通の農園で農業をしている農家でさえ経営状態がいいわけではないんだから。それぐらい農家経営というのは厳しいものなんだ。ただ、そこを何とかして農業として成り立たせたいと思っている。耕作放棄地から10年以内でやろうとしてるんだから、無謀な挑戦かもしれんがな。」


子:「…。」


父:「どうした。」


子:「…何かが足りないな…。なんだろう…。」


父:「どういう意味だ?」


子:「それでも、農園再生はやろうって考えているんだな。」


父:「ああ。これにはそれだけの意義もある、と思っているからな。さっきも言ったが、最終的に農業として成り立たせることが目標であり、前提だ。じゃないと意味がない。」


子:「…うーん。やっぱり、うまく言えん。けど何か足りないような気がするんだよなー。」


父:「まあ、いい。園は整備できたから、弱っている木のケアに取り掛かるぞ。」


農園再生の厳しさを確認した父子。
農園再生は、農業の経営に対する挑戦でもあった。
心の奥底に何かひっかかるモノを感じている息子:ハルオjr。
そんな胸中とは関係なく、いよいよ弱った木に対してのケアが始まるのだった。
次回"第9話 人間だって同じ"に続く。


登場人物
yoshimasa父:ハルオ

tonmo201110 (3)息子:ハルオjr


バックナンバー
第1話 息子よ、「耕作放棄地」を知っているか?
第2話 息子よ、これが「耕作放棄地」の問題だ!
第3話 父の決断
第4話 父子で道を切り拓け!
第5話 光をさえぎるもの
第6話 地をはうもの
第7話 父の夢
[2011/12/27 22:46 ] | 農園再生プロジェクト | コメント(5) | トラックバック(0) | page top
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コメント
十年で農地を返すとなると・・・生育の早い植物や木でないと期間が足りないような・・・。

苗木から育てると木がある程度大きくなるのに3〜5年、この時点で作物の販路がかなり安定してないと農地を返す時期の方が早くきて赤字のような・・・。

逆に言うと、1年目からある程度育った木を持ってきて植えれば、販路さえ確保できていれば黒字経営(だが、ある程度育った木は購入に値段が張るので回収すべき売上額は増える)。期間が短いと厄介ですね。
[2011/12/28 00:27] | URL | 幸運がよってくる #qbIq4rIg [ 編集 ] | page top
新植だと育成期間が足りない。その通りです。だから、現在生えている木の復活をいかに効率よく出来るか?が第一の課題となります。
その上で、販路の開発も必要になります。期間の短さは壁になるというのはご指摘の通りです。

投資分を回収できるのか?労力に見合った収入を得られるのか?
農園再生はこのような問題点もはらんでいます。

でも、そこを試行錯誤していくのもこのブログで今後書いていきたい部分です。
そうじゃないと、ブログを書く意味が無くなってしまいますからね。
どうにかなるのか、ならないのか、まだ分かりませんが…よかったらそこも含めて見守っていただければうれしいです。
[2011/12/28 21:41] | URL | ハルオjr #- [ 編集 ] | page top
せっかくなら「頑張ってどうにかなった」と言うブログを希望(笑)
とりあえずネット販売のshopを立ち上げといた方がいいかも(もう立ち上げてたらそれでもいい)店の名前が知れ渡る(有名になって検索してくれる)まで2〜5年はかかるからみたいだから・・・
自分で通販する最大の理由は、商品を卸売通すと生産者は薄利なので「10年までに黒字」が危ういかと・・・
[2011/12/28 23:03] | URL | 幸運がよってくる #qbIq4rIg [ 編集 ] | page top
お返事ありがとうございます。

頑張ってどうにかなった…を書きたいですね。
このように心配してくださる=考えてくださる方がいらっしゃるのはとてもうれしいです。
そのためにこのブログを書いているようなものですから。

生産者が薄利なのは真実ですよね。もっと先のエントリでも取り上げる予定にしていますが、
生産者の考えなければならないことはなんなのか?という所が今突きつけられています。

しかし、農家の高齢化が進むにつれ、そのような問題点も(生産者側からも)曖昧にされている現実。
その辺もお伝えできればいいな、と考えています。

第一話や人物紹介でも取り上げているように、私は(有)原の里という会社を経営しています。
農産物直売所の運営を主にしていますが、通販も受託業務として行っています。
そのノウハウは出来るだけ早く活かしていく予定で、現在準備中です。

もう少し話が進めば出てきますが、私なりの答えを提示していきたいと考えています。
[2011/12/28 23:14] | URL | ハルオjr #- [ 編集 ] | page top
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2011/12/30 10:44] | | # [ 編集 ] | page top
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