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第34話 2012年5月 いつもの作業風景
【第33話 2012年4月 激論!父vs子のハイライト】 お客さんの前だという事を忘れ、酒の勢いも手伝って激論を繰り広げてしまった父子。 二度とあんなことはしない…と心に誓いつつ(誓いはいつもムダに終わる…。)いつもの作業に戻っていくのであった。 ―――2012年 5月――― ![]() 息子:ハルオjr:「流石に5月ともなると草が生えてくるのが早くなるなー。」 父:ハルオ:「ぶつくさ言ってないで草払いをするぞ。」 解説:気温が高く、雨の多い屋久島は植物の生育環境がいいのか、雑草が生えるスピードがビックリするくらい早いです。農作業の三分の一は草払いが占めるほどです。 我が家はだいたい月に一回は草払いをしています。父がきれい好きなこともあってちょっぴり頻度は高めですが、その分、農園はきれいです。市場の関係者に「公園のように管理されていますね。」と褒められるほどです。 父:「この草ならヒモで十分だな。」 ![]() 解説:刈払機は通常、刃を使って草を刈っていきます。が、写真のようなヒモタイプのものもあります。 ヒモタイプはヒモを高速回転させて草を叩き切っていくようにして使います。 刃のタイプに比べて草が細かくなる→土にかえりやすいや、ケガをしにくいなどのメリットがあります。 ただし、ヒモを力づくで叩きつけていくので刈払機のモーターには負担が大きくなってしまいます。 子:「よし、じゃあやるか!」 ブーーーーン。 ![]() 解説:モーターを背負っているので、その回転音で周りの音が聞こえなくなってしまいます。 はじめはうるさいと思いますが、慣れてくるとモーター音以外の音が聞こえない環境に騒音の中に静寂を感じる瞬間があります。 考え事をしている時などは、この騒音の中の方が集中出来たりもします。 ――― 一日終了 ―――― 子:「とりあえず、終わったーーーー!!」 父:「明日は、次の園だな。」 子:「おう、今言うなよ。。。」 解説:我が家の農園は7か所に分かれています。どの作業を行うにも順番にこなしていかなければならず、作業効率は落ちてしまいます。しかし、台風リスクを分散させるなどのメリットもあるので一長一短なのです。 いつもの作業をこなしていく父子。 それは屋久島で農業をやる以上、避けては通れない道なのであった。 父子はもうひとつの宿命、害獣対策(の準備)に取り組む。 次回"第35話 2012年5月 電気を通すために"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター 第27話 2011年12月 平地と斜面 第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか 第29話 2012年3月 こだわりの土づくり 第30話 2012年3月 土作りの次は栄養を 第31話 2012年4月 予想外のスピード 第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込め 第33話 2012年4月 激論!父vs子 スポンサーサイト
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第33話 2012年4月 激論!父vs子
【第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込めのハイライト】 太陽の光を木に当てるために環境整備を行った父子。 屋久島における耕作放棄地問題の大きさも確認し、取り組んでいる問題の大きさに直面するのであった。 農園再生体験のモニターをまた迎える父子であったが、その時、ついに父子が激突する! ―――2012年 4月――― 息子:ハルオjr:「連れてきたよ!下ン牧さんのお知り合いの方!」 父:ハルオ:「いらっしゃい。今日は宜しくお願います。いつも下ン牧さんにはいろいろとお世話になりっぱなしなんですよ。」 練馬:「はじめまして。練馬といいます。よろしくお願いします。」 解説:解説するまでもありませんが、練馬にお住まいなので練馬さんです。 もともとが練馬の農家なのだそうです。(現在は違います。) 子:「今日は何をしてもらう?」 父:「この前切った防風林の枝を燃やさないといけないから、それを一か所に運んでもらえますか?」 練:「わかりました。」 ![]() 子:「すみません。なんか地味な仕事ですよね。」 練:「いや、子供の頃までうちも畑なんかがあって、こういう手伝いもしていたのでスゴく懐かしいですよ。」 子:「そうなんですか?楽しんでいただけてるのであればいんですが…。」 父:「そろそろ、昼飯にしましょう!」 ![]() 解説:この日の作業は再生ぽんかん園で行いました。段々畑で上の方が高台になっていますので、原集落が一望できます。 この日は天気もよかったので、原集落と海を眺めながらの昼食になっています。夏場は暑すぎてこんなことはできません。 練:「眺めがよくて気持ちいいですね~。」 父:「ここは隠れた絶景スポットですからね。」 子:「ああ、そういえば下ン牧さんが、夜にご飯をかねて交流会…という飲み会しようって言ってたわ。」 父:「わかった。練馬さんと飲めるのは楽しみだな。」 解説:ハルオ家はあまりお酒の強い家系ではありません。といってお酒が嫌いでもありません。飲み会などがあるとけっこう参加しています。 ―――その日の夜――― 下ン牧:「練馬さん、今日の農作業どうでした?」 練:「いや~楽しかったですよ。久しぶりにやったから懐かしかったですし。」 下:「それはよかったわね~。」 子:「楽しんでいただけたのであれば、よかったです。けっこう体力のいる仕事でしたからね~。」 父:「昔取った杵柄か、わりと作業に慣れてる感じはありましたね。」 下:「で、農園再生プロジェクトなんだけど、ハルオJr説明してあげて?」 子:「はい!プロジェクトを始めたきっかけは……。どういう考えでやっているかというと……。」 関連エントリ:第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) ………… 子:「…ざっとこういう感じなんです。」 父:「ありがたいことに、たくさんの方に支援していただいています。」 練:「なるほど~。面白いですね!で、再生し終わったあとの農園ってどうなるんです?」 子:「基本的には持ち主に返します。」 父:「ただ、体力的にとか後継者がいないとかで続けてやってくれと言われるかもしれませんが。」 練:「その時は?」 子:「ボクらには手に余るので、就農希望者で管理したいって人を探す予定です。それをサポートして独立した農家になってもらうのが最終的な目標のひとつですから。」 練:「独立した農家っていうのはどういう人なんですか?」 子:「ボクの考えでは、農園再生というブランドを作りたいと考えています。そして、再生後も通用する流通ルートを作りたいんです。」 父:「それは独立した農家とは言えんだろう。」 子:「え?」 父:「独立したあとも、『農園再生』にのっかるってことだろうが。『農園再生』がとれて初めて一人前の農家として認められるんだ!」 練:「……。」 ![]() 子:「は?誰に認められんの?」 父:「もちろん、地元農家にだ。」 子:「え?買うのはお客さんなんだから、お客さんの立場から考えるとそれは『普通のたんかん』になってしまうじゃん!『農園再生』で再生したたんかんだから価値があるんじゃない!」 ![]() 父:「違う!『普通のたんかん』を普通に売ることができないと、再生したといえんだろうが!」 子:「新規就農者が『普通のたんかん』をどんなルート売るっていうんだよ?流通はこちらがある程度確保してますって話じゃないと、新規就農者なんてくるわけないから!」 父:「だから!その時に『農園再生』をいつまで引きずるのかって言っているんだ。」 子:「一緒の販売ルートに乗せるんだから、ずっとつけてていいんじゃない?」 父:「違う!……!!(まだ農業のことも知らん青二才が!)」 子:「だから!……!!!(この分からず屋が!!)」 ………… 練:「…いつもあんな感じなんですか?」 下:「そうね。火がつくとね。」 解説:この日は「農園再生のその後」について、父子ともお客さんがいるにもかかわらずヒートアップしてしまいました。 最終的には新規就農者に対する販売のアプローチをどうするか?とう事で、結局言っていることは同じだたようです。(本人たちは気づかず…。) 練馬さんはこの父子喧嘩も含めて楽しかったと言ってくださっていたようで、胸をなでおろしました。(後日、下ン牧さんを介して聞いた話です…。) あの時は大変失礼しました。今後はあのような席での父子喧嘩は自重します…。 お客さんの前でなんと父子喧嘩を披露してしまった父子。 父は農家側からのアプローチ、息子は販売側からのアプローチで物事を考えることが今後も父子喧嘩の火種になるのである。(日常茶飯事ではあるが。) 次は、屋久島の農家が避けて通れない作業に取り掛かる。 次回"第34話 2012年5月 いつもの作業風景"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター 第27話 2011年12月 平地と斜面 第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか 第29話 2012年3月 こだわりの土づくり 第30話 2012年3月 土作りの次は栄養を 第31話 2012年4月 予想外のスピード 第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込め |
第32話 2012年4月 太陽の恵みを取り込め
【第31話 2012年4月 予想外のスピードのハイライト】 予想を大きく超えるスピードで目標の100名のサポートメンバーを獲得したプロジェクト。 確実な前進を感じつつ、次の環境整備の作業に取り掛かる。 ―――2012年 4月――― 父:ハルオ:「よし、じゃあ環境整備…といっても防風林の整備だが、始めるか。」 解説:屋久島の農地は木に囲まれています。 それは、「防風林」と呼ばれる木の囲いです。屋久島は台風の通り道なので、強風による農作物への被害を抑えるために農作物(果樹)よりも背の高い木で農園を囲い、作物を守っているのです。 「防風」の効果を早く効かせるために成長の早い樹木を植えるのが一般的です。 防風林が生い茂りすぎると、風通しが悪くなります。風通しがわるくなるとカイガラムシの発生によるスス病などでたんかんの見た目や味に影響があります。そのため農家は防風林の脇枝を切って風通しを良くします。これも大切な農作業の1つなのです。 2011年内にも防風林の整備を行いましたが、時間と労力の関係上あるていどおおざっぱにしている部分がありました。 いよいよ本格始動したので、きちんと整備を行う段階になった、ということです。 関連エントリ:第5話 光をさえぎるもの 息子:ハルオjr:「おう。」 父:「どうしても、日当たりが悪いと光合成に影響がでるからな。といって、切りすぎると台風が来た時が怖い。」 子:「バランスが問題ってことね。」 父:「木の事を考えると、とりあえずは日当たりと風通しを優先しよう。あの辺を切るか。」 ![]() 子:「了解。」 ![]() 解説:ここで使っているのは、高枝チェーンソー。通称「プルーナ」です。 脚立にのってさらに高いとことろを切るとかなりの高さまで対応できます。 が、場所によっては足元が安定しない場合があるので、使いどころは限られてしまいます。 良い子はマネしないようにしましょう。 子:「横の枝はこれ(高枝チェーンソー)で切れるけど、幹の部分はちょっと無理があるわ。」 父:「それはそうだ。その部分はちゃんとプロに頼んであるから心配するな。」 子:「おお、それなら安心だね。しかし、農園の整備も結構金かかるなぁ。」 父:「そうだな。それに手間もかかる。だからこそ"耕作放棄"されるということもある。」 子:「たしかに、誰にでもは出来ないところはあるもんな。」 父:「だからといって、それを見過ごしていると手遅れになる。難しいところだな。」 子:「耕作放棄地もここだけじゃないしね。」 父:「ああ。屋久島中で300町歩(300ha=90万坪)ほどあると言われていたりするからな。」 解説:現在、屋久島農園再生プロジェクトで再生させている農園は約1町歩(1ha=3000坪)です。 おそらく、父子2人だとそれ以上の広さはあまり対応できません。 耕作放棄地がいかに拡大しているかが分かります。 子:「は?そんなに??うーん。道のりは長いぞそりゃ。」 父:「何を言ってる。ウチだけでそんなにできるわけないだろう。」 子:「そりゃそうだ。ま、一部だけでもできればイイって思わなきゃね。」 ―――数日後――― ![]() 子:「おおっ!すげ!!すっきりしてる!!!これなら日当たりも大分いいね。」 父:「ああ。やっぱりプロは違うな。」 子:「ああ、そうだ。またお客さんくるからさ、農業体験のモニターをしてもらおうと思ってるんだけど。」 父:「そうか。分かった。」 日当たりを良くするための環境整備を行った父子。 耕作放棄地問題の大きさも再確認することになったのであった。 モニターを再び迎え入れることになったが、これが父子の衝突を呼ぶとはまだ知る由もないのであった。 次回"第33話 2012年4月 激論!父vs子"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター 第27話 2011年12月 平地と斜面 第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか 第29話 2012年3月 こだわりの土づくり 第30話 2012年3月 土作りの次は栄養を 第31話 2012年4月 予想外のスピード |
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