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第30回 2012年3月 土作りの次は栄養を
【第29話 2012年3月 こだわりの土づくりのハイライト】 一年の始まりはまず、土づくりから。農園に堆肥を撒いた父子。 次は樹木に栄養分を与えて、木を活性化していく。 ―――2012年3月末――― 父:ハルオ:「さて、肥料をやる前に、だ。」 息子:ハルオjr:「肥料をやらないの?」 父:「やるんだがな、モノには順番ってものがある。まず、土の性質を改善する。」 子:「?」 父:「どうしても、管理栽培をしていると土が酸性に偏ってしまうんだ。これは根っこにあまりよろしくない。」 子:「へー。」 父:「根っこによくない、ということは養分を吸い取る力が落ちてしまうってことだ。この状態でいくら肥料をやっても木は吸わない。だから、酸性の土を中和して、中性にする。」 子:「そのための土壌改良剤ってことか。」 ![]() ![]() 父:「そうだな。じゃあ、例によって撒いていくから、お前は…。」 子:「はいはい。運びますよ。」 ![]() 解説:この土壌改良剤は鉱石からできています。働きは土を中性に保つことです。根っこの周りにまんべんなく薄く撒いていきます。 一袋あたり20kgほど入っていて、それを肥料おけに入れて撒いていくのですが、中身が粉砕した鉱石なので少量でもかなり重いです。また、粒子が非常に細かいのでマスクをしています。特に吸い込んだからといって身体に影響はありませんが、埃っぽいので。 ―――2012年4月初頭――― 父:「よし、そろそろ配合撒いていくか。」 ![]() 解説:配合とは配合肥料=化学肥料のことです。より効率的に養分を吸収させることが出来る肥料、と言えます。有機物と無機物が両方入っていたり、有機物だけだったりします。 もっと純粋に栄養分だけ与える場合、液体肥料を使うという選択肢もあります。 子:「了解。」 解説:植物のメカニズムとして根で吸収できるのは地中の水に溶け込んだ無機物のみ(主に窒素、カリウム、リン)である、ということがあります。 堆肥などの有機肥料にも栄養分は含まれていますが、バクテリアが分解し無機物にして、地中の水に溶け込んで初めて根っこは吸収ができる、ということです。ですので、栄養が行き渡るまでに非常に時間がかかります。 しかも、植物が必要とする栄養分というのは、それぞれの植物で決まっています。ですので、最終的に吸い上げられる養分に差はほとんどありません。 単純に養分の吸収だけを考えた場合、液体肥料>配合肥料>有機肥料の順に効率が良いといえます。 それでも土壌や肥料などで違いが出てくるのは、吸い上げる効率、十分に吸い上げる環境、微量に吸い上げるミネラル分の違いなどがそれぞれで違ってくるからです。 どの肥料をどの程度使うかはケースバイケースで、科学的にいうと吸い上げる養分に最終的な差はあまりないので、どの肥料が絶対に良いとは単純にいえません。 ベテラン農家は経験則の中で、この判断を行っているということです。 ―――数日後――― 父:「終わったな。土壌を作って養分を撒いたわけだから、これで吸収をちゃんとしてくれれば多少は木の回復も進むだろう。ただ根が弱ってるだろうからすぐすぐに、というわけにもいかんだろうが。」 子:「ああ。」 父:「次は環境整備だな。」 子:「その前に、ちょっと報告をしとくわ。」 土づくりに始まり、土壌の改良、養分の散布と木が回復、成長する環境を作った父子。 次は環境整備を行い、さらに回復を推し進めていく。 …が、息子からの報告があるという。それは一体? 次回"第31話 2012年4月 予想外のスピード"に続く 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター 第27話 2011年12月 平地と斜面 第28話 2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか 第29話 2012年3月 こだわりの土づくり スポンサーサイト
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