- 2012 . 04 «
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
- 7
- 8
- 9
- 10
- 11
- 12
- 13
- 14
- 15
- 16
- 17
- 18
- 19
- 20
- 21
- 22
- 23
- 24
- 25
- 26
- 27
- 28
- 29
- 30
- 31
第27話 2011年12月 平地と斜面
【第26話 2011年12月 第一号モニターのハイライト】 新たな取り組みとしてスタートさせる農園再生体験のモニターテスト。 第1回目は身近な移住者下ン牧さんだった。そして2回目もそう遠くない時期に訪れる。 そこで父子が知る、感覚の違いとは…? ―――2011年12月――― 父:ハルオ:「今、実は父さんの知ってる人が屋久島に来てるんだ。」 息子:ハルオjr:「そうなんだ。」 父:「でな、その人たちに農業体験をしてもらおうと思ってる。」 子:「ぽんかんの収穫?それから、農業体験じゃなくて、農園再生体験ね。」 父:「…まあ、どちらでもいいが。今から連れてくるからな。」 子:「了解。」 ―――数十分後、再生ぽんかん園――― 父:「連れてきたぞ。庭師さんとお連れの方だ。」 解説:庭師さんは造園会社の社長さんです。女性でそういう企業の社長さんをされているのは、初めて聞いたときはビックリしました。原集落に別荘をお持ちで年に数回屋久島にお越しになるようです。 子:「初めまして。いつもお世話になってます。」 庭:「いいえ。こちらこそ。」 父:「それで、ここが農園の再生を行っている場所になります。」 ![]() 庭:「まあ。大変ですね。」 父:「いや、いずれ誰かがやらなければならないことですから。それでぽんかんというのが、この木になります。今日は、この収獲体験をお二人にしていただこうと思います。その前に説明を。ぽんかん…。現在の問題点は…。」 庭:「へええー!そうなんですね~!!」 父:「…というわけでなんです。」 解説:ここで父がした説明は、ほぼ第1章の内容なので割愛しました。 参照:第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 父:「では、早速収穫の体験をしていただきましょうか。」 庭:「楽しみ~。」 ![]() 解説:庭師さんに果樹はあまり珍しくないのではないか…という思いが頭をよぎりました(木に触れるという意味では専門家ですから)が、収穫などの経験はあまりないそうで、非常に楽しんでいただくことが出来ました。良かった。 庭:「うわ~。ここは眺めが最高ですね~。里と海まで一望出来て気持ちがいいですね~。」 ![]() 子:「そうですね。その分段々畑で傾斜がきついので、作業するとなると大変ですけどね。」 庭:「あー。たしかに。これを仕事としてするとなるとそうですね。」 父:「だから、今どきはこのような段々畑形式の農園というのはほとんどありません。非常に効率が悪くて、さらに肉他的な負担もおおきいですからね。」 ―――1時間後――― 父:「じゃあ、他の農園もちょっと見てみますか?」 庭:「いいんですか?是非!!」 ―――移動――― ![]() 父:「ここが、再生農園ではない我が家の農園です。平地になっています。やっぱり作業効率を考えるとこのような形になってしまいますね。ここにぽんかんがあれば、コチラの方が楽なのでコッチで体験をしていただきたいところなんですねどね。」 庭:「…。うーん。体験をするならさっきの農園の方がいいですね。」 子:「!!なんでですか?」 庭:「坂を上っていくから周りの景色が移り変わっていくじゃないですか。それが楽しいし、登った時の眺めの良さが気持ち良かったですもん。」」 ![]() 父:「…それは農家にはない考え方ですね。なるほど。」 庭:「農家さんは毎日、毎日何時間って作業をされるから、効率がいい方がいいでしょうけど、一日、それも数時間だけとか体験をするんだったら、断然さっきの農園の方がいいですよ。」 子:「なるほどですね!仕事と体験だと重視するところが違ってくるかもしれませんね。」 (…ということは、あの農園は体験用に特化させるって言う手もアリかもしれんな…。) 庭:「そうそう。」 父:「うむ。こちらでは考えつかない点でした。勉強になりました。ありがとうございます。」 庭:「いえいえ。こちらこそ楽しい時間をありがとうございます!」 子:「あ…ところで今、サポートメンバーっていうのを募集してるんですけど…。」 父:(抜け目のないヤツめ…。) 庭:「よろこんで協力させていただきますよ!」 子:「ありがとうございます!!」 こうして、モニターテストで仕事と体験の感覚の違いを学んだ父子。 これから先もいろいろな発見があるのであるが、それはまだ先の話。 肝心のプロジェクトサポートメンバーの募集はどうなっているのか? 次回"2011年12月 息子よ、サポートメンバーは集まっているか"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) 第26話 2011年12月 第一号モニター スポンサーサイト
|
第26話 2011年12月 第一号モニター
【第25話 プロジェクトのはじまりのハイライト】 動き始めた「屋久島農園再生プロジェクト」。 実際に収穫に向けた作業と、将来の企画のためのテストがはじまる。 "農園再生体験"の実現に向けて、第一回目のモニタリングテストを行う父子であった。 ―――2011年12月 再生ぽんかん園――― 息子:ハルオjr:「をを!実がなってるじゃない?」 父:ハルオ:「小粒だし、見た目も悪いから商品にはならんがな。」 子:「いやいや、なっただけでもすごいじゃない?まだほとんど手をつけてないのに。」 父:「ぽんかんは、たんかんに比べると強いみたいだからな。」 子:「そうなの?」 父:「しかし、きちんと市場で商品になる実をつけようと思えば、たんかんより手間がかかる。」 子:「同じぽんかんなのにね…。たしかに、じょうのうも固いから無理かもしれんけど。」 解説:"じょうのう"とは柑橘の皮をむいた時に中に入っている袋のことです。柑橘の中には、その袋をそのまま食べるものと、むいて食べるものがありますね。 ぽんかんは、そのまま食べるのが基本ですが、お好みでむいて食べる方もいます。 父:「しかし、味は予想していたよりいいな。」 子:「うん。手入れしてないのにね。…そうだ!せっかく実がなったから、収獲の体験をしてもらおうか!」 父:「誰にだ?」 子:「下ン牧さん。」 ―――数日後――― 子:「ということで、下ン牧さんに来ていただきました!」 父:「お忙しいところスミマセン。」 下ン牧さん:「いえいえ。こういうの好きなんで、お構いなく!」 父:「このぽんかん園の特徴は、段々になっているところです。」 ![]() 父:「それで、この真ん中にある坂道を上り下りしながら、作業をしていきます。 今日は、体験なので必要な分だけを採ってもらって構いませんが、本格的な収穫となると、上り下りが一日中になってきます。」 下:「うわー。それは大変かも…。」 子:「実際の作業の時は収穫した実は運搬機で運ぶんですけどね。」 父:「実はなっていますが、木はまだ弱ったままです。あまりに長い間実をつけていると、木が耐えられませんので、ある程度の段階で全て採るか、落とすかしないといけなくなります。」 子:「だから、気にしないでじゃんじゃん採っちゃってくださいね!」 下:「よーし!やるよーー!!」 ![]() 父:「採った実はコンテナに入れて置いといてください。ハルオJrが運びますから。」 下:「移住してきたばっかりのころ、農家さんのお手伝いで収穫したことあるから、ある程度は分かってるよ~。」 子:「へー。そうなんですか?だから手つきが慣れてるんですね~。」 ―――数時間後――― 下:「うん。これだけあれば十分です!」 父:「本当にこれだけでいいんですか?もっと持って行っていいですよ?」 解説:この時下ン牧さんが収穫したのはコンテナ3つ分(約60kg)でした。 下:「いえいえ。そんなにあっても使い道ないし。十分です。」 子:「そりゃそうだ。ところで、どうでした?感想を聞かせていただけるとありがたいのですが。」 下:「うん。楽しいね、収穫は。やっぱり。けど、収穫だけを考えているわけじゃないんでしょ?」 子:「はい。農業機械を使ってもらった草払いとかどうだろう?と思ってますけど。」 下:「機械ね!それも楽しそう!!都会の近郊じゃ収穫体験はあったりするけど、機械を使ってとかはそんなにはないかもしれないし、いいかもね!いけるんじゃない?農園再生体験。私はけっこう好きだけど。」 子:「ふむふむ。そういっていただけると、やる気出ますね!」 下:「モニターのテストをもう少しやって、いろんな意見を聞いたらいいプランができるかもね。」 子:「はい!来年(2012年)はテストに費やす予定です。」 モニター第一号は、身近な移住者下ン牧さんから口火を切ったのだった。 この後、幾度となくテストを繰り返していくことになるのである。 そして、その機会はそう遠くない未来にやってくるのであった。 次回"第27話 2011年12月 平地と斜面"に続く。 登場人物 ![]() ![]() バックナンバー 第1章 「農園再生導入編」まとめ(第1話~第14話) 第2章 「プロジェクト始動編」まとめ(第15話~第25話) |
| ホーム |
|